「人事哲学」 HR Philosophy 日本でまだ語られていないこと〜2024年から最も大事なこと。 第二弾 人事哲学とは何か? - 人事資格認定機構-HRAI-

2024/02/05

「人事哲学」 HR Philosophy 日本でまだ語られていないこと〜2024年から最も大事なこと。 第二弾 人事哲学とは何か?

 

「人事哲学」という言葉が日本では語られることがまだほとんど無いと言っても過言ではないでしょう。

私は、2019年からこれからの人事に必要なことは 1)「人事哲学」2)「人事戦略」3)「人事の数字」の3つで、それもこの1)〜3)の順番で考えられるべきであるとお話ししています。

 

1.人事哲学 とは何か?

「人事哲学」は、通常、組織や企業における人的資本の発展・管理や人事戦略に関連する哲学的なアプローチを指す言葉です。これは、従業員の管理や組織の成功に関する原則や価値観、組織文化に対する本質を追求するものです。

また、「人事哲学」は組織が従業員共に成長し、持続可能な成功を追求するための方向性を示すものでもあります。

具体的には、どの様な人財(人的資本・ヒューマンキャピタル)を組織に獲得し、どの様に人財に活躍してもらうのか、ということを明確に定義することです。

 

2.人事哲学の為の原則

人事哲学は、組織の文化・価値観から成るわけですから、組織ごとに熟考し、緻密に練り上げ、体系化し、明文化する必要があるわけです。

 

「人事哲学をでは考えよう!」という時、以下の原則を元にすることをお勧めします。


1.ヒューマンセントリックなアプローチの徹底:

 従業員は組織の最も重要な資本であり、従業員の成長と幸福感を重視する。

2.多様性・公平性・包摂性DE&I)の重視:

 多様性を尊重し、異なる背景や視点を持つ従業員を包摂し、公平性を担保する。

3.コミュニケーションと透明性の促進:

 職場におけるオープンで透明なコミュニケーションを重視し、情報の共有を促進する。

4.ワーク・ライフ バランスの確保:

 従業員が仕事とプライベートの両方で充実した生活を送るためのサポートを提供する。

5.成長と学習の機会の提供:

 従業員のスキルやキャリアの発展を支援するために継続的なトレーニングや学習の機会を提供する。

 

これらの原則は一般的なものであり、企業や組織によって具体的な人事哲学が異なることがあります。人事哲学は組織の文化や価値観に合わせて調整され、長期的な成功をサポートする役割を果たします。

 

3.人事哲学、順番がより大事に

 1)「人事哲学」 → 2)「人事戦略」 → 3)「人事の数字」

この順番は今後さらに大切になることでしょう。

 

ジョブ型の導入〜これはジョブ評価の手法の選択ですが、あたかも日本では人事戦略のように扱われています。手法の選定は、まず「人事戦略」が定まり、戦略計画を策定するときに行われるべきです。

「人事戦略」が手法やポリシーの変更に終始しているのではないでしょうか?

 

我々の「人事哲学」の体現のために、人事戦略が定まり、その戦略を推進するためにはジョブ型というジョブ評価の手法が最も有効である、ゆえにジョブ型を導入する、という理論立てを行わずにジョブ型を導入するのは危険ですね。

 

人的資本の情報開示〜義務化されたので、求められる数字を作って開示、、、では「人事の数字」の意義をなしません。公開する為の数字を作る作業ではなく、経営が「人事哲学」の体現のために実行する「人事戦略」。

その人事戦略が有効に機能しているかを経営と人事が日々把握するH Rダッシュボードがあり、そこから株主に公開すべき情報を選定するといったことが行われていなければ、人的資本の情報開示は、人事の管理的仕事の負荷が増加するだけ、と言った非効率な結果になるのではないでしょうか?

 

手法から考える、求められる物を提供すると言ったクラリカルでリアクティブな人事から、「人事哲学」から考え、ヒューマンセントリックなアプローチとデータ駆動型プロセスを併せ持った人事の存在がより求められる時代、そして人事の在り方が組織の将来の明暗を左右する、そんな世界に既になっています。

 

 

第三弾では、「人事哲学」〜アメリカでは をお伝えします。

 


関連する記事

「人事哲学」第一弾 データがドライバーになってはいけない。https://hr-ai.org/new-column/hr-philosophy-1/

人事が要!:「業績」「利益率」https://hr-ai.org/new-column/0218/

やはり経営は人に尽きる」「経営者こそ人事の学びが必要」https://hr-ai.org/new-column/230112/

「人的資本の情報開示」と「ISO30414」の取得、具体的には何から始めるのか?https://hr-ai.org/new-column/221025/