花王株式会社SHRM エッセンシャルズ受講後6ヶ月フォローアップインタビュー 第二弾 「人事ってかっこいい」 経営と人事を繋いでいきたい。課題はデータ分析!

インタビュー開催日:2022年8月22日

今年2月に受講いただいた6人の中から、本日は3人の方にお集まりいただきました。

(敬称略)

東山 採用リーダー                       

竹川 組織人事リーダー              

下川 海外関連報酬スペシャリスト

「人事ってかっこいい」経営と人事を繋いでいきたい。課題はデータ分析!

華園: 皆さんが習得したグローバル基準の人事の基礎を日々の業務に活用されているお話をお聞きして大変嬉しく思います。皆さんこれから会社と共に成長を続けて行かれるわけですが、これから人事のプロとしてご自身のキャリアを発展させていくためにどのような学びが必要だと思っていますか?

竹川: 他社の取り組みやコンサル会社のレポートなどで社外から新しい情報を吸収して自社に活かしていきたいと思っています。現在人事のデータのプロジェクトに入っていますが、人事の情報の一元化、抽出はHRテックの導入でプロジェクトとして可能です。しかし、人事データをいかに活用していくか?というところまでの提言を含めてプロジェクトで行いたいと思っているので壁にぶつかっているところです。人事が行った施策について効果がでているのか、例えば人材育成、人材開発などについてその有効性を数値で測定できるところまでプロジェクトで行いたいと思っています。

華園: HRテックの導入で人事データの一元化と抽出が進行されているのですね。人的資本情報の開示についてはどのような状況ですか?

竹川: 人的資本情報の開示については、私は人的資本情報の開示を担当しているわけではありませんが、基本的にいろいろな情報をつなぎ合わせて工夫して対応を進めていると感じています。

華園: そうですね。開示自体は、データベースがあれば問題がないと思いますが、お伝えしたいのは、人的資本情報の開示は「出口」だということです。開示は株主に対してするもので、端的に言えば株主が株価は上がるのか、という価値判断をするための情報に過ぎません。しかしながら、そこには「出発点」があるということです。その「出発点」とはそもそも、経営者が毎週、毎日、貴重な人的資本についての情報をきちんと見て、経営判断に活かしているかということです。つまりHRダッシュボードの整備と活用です。私は様々な機会に経産省や政治家、経営者の方と人的資本情報開示のお話をする機会がありますが、いつもその「出発点」の話が起き忘れられて、株主に向いた「出口」にしか目線がないことに問題提起をしています。経営者が最も貴重な「人財」についてきちんと把握していれば、そのデータの中から株主に知ってもらう数字を戦略的に開示することが可能なわけです。この人的資本情報の「出発点」と「出口」の考え方、是非大事にしていただければと思います。

下川: ちょうど今の竹川さんとふみ江先生のお話は、まさに自分の現在の課題と重なっています。SHRMエッセンシャルズの受講直後に新たに役員報酬の担当になりました。いかに経営と人事を結びつけて外部に発信していくのか、についての難しさに直面しています。人的資本情報の「出発点」と「出口」の考え方、今日新たに、ふみ江先生から学べました。
経営者が人事データを経営判断に活用して、そこからどう株主に開示してくのか、という考え方、これから学んでいきたいと思っています。

華園: そうですね。まだまだ日本では人事のデータをいかに分析して活用していくかの教育がありませんが、米国のSHRMではすでにPeople Analyticsの講座もあり、資格も取得できます。 データ分析、データの活用についても基礎をきちんと学ぶ利点は、習得した基礎知識に自社に合うやり方、自分の経験を加味してすぐに現場に生かすことができる、つまりジャンプスタートが可能になることです。
それからこれは私の経験談ですが、経営者に数字や情報を伝えたいときに心がけていたことがあります。経営者は経営判断をするために「この数字が見たい」という強い要望があると思います。そのような要望があったときに、経営者が求める情報に加えて、現場にいるからこそわかる情報をコンパクトにまとめて合わせて報告することです。

東山: 現状では採用なので、社内というより社外との付き合いでありますので、CXと言われるカスタマーエクスペリエンスの価値を上げていくことなのですが、現実では計測する難しさを感じています。新卒採用のプロセスで学生にフィードバックをもらっても悪いフィードバックなどあり得ませんので。具体的にはSNSのフォロワーを増やしていくなどになるので、どちらかというとよりこれからマーケティング的スキルを学んでいく必要性があるのかなと思っています。

華園: なるほど。マーケティング的視点においても数字の分析が重要になってきますね。講義中に人事の数字でお話ししましたが、データ分析の第一歩は「数字を好きになる」ということです。数字を眺めているだけでも面白いと思いながら数字を見ていると自ずと数字が語りかけてくれますよ。数字の分析は全ての仕事に通じる重要なビジネススキルなので、皆さんぜひ実践してみてください。

華園ふみ江

一般社団法人 人事資格認定機構
代表理事
米国公認会計士
ASTAR LLP 代表

コラムがアップされたらHRAI からメールが届く!メールマガジン会員登録お申し込みはこちら

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!