デルタ航空の取り組み:DE&Iで世界を繋ぐ
2024年11月7日「24GHR 第二回世界人事会議」ワークショップより、デルタ航空HR Innovation and Workforce Technology, Managing Director, Timothy Gregory様プレゼンテーションを要約してご紹介いたします。
ダイバーシティー:多様性の価値を尊重
デルタ航空は、組織内外で多様な社会的アイデンティティーを尊重し、全従業員が価値を認められる環境を作ることを目指しています。特に「Faces of Travel」キャンペーンでは、旅行のイメージの多様化を推進し、日本を含むアジア地域の文化を称賛する活動が行われています。これには、ソーシャルメディアを活用した日本の魅力発信や、アジア太平洋地域従業員によるビジネスリソースグループ「FUSION」を通じたコミュニティ支援などが含まれます。
エクイティー:公平性の実現
デルタ航空のエクイティーへの取り組みは、単なる「平等」を超え、各従業員やパートナーの固有のニーズに応じた支援と資源提供を重視しています。例えば、一部の職種では4年制大学の学位要件を排除し、より多くの人々に職業機会を提供する施策を進めています。また、アジア系企業との協業を通じて、取引先としての多様性も実現しています。
インクルージョン:包括性の文化を醸成
デルタ航空は、いかなる個人やグループも尊重される環境づくりを重視しています。この理念は、企業文化に根付くインクルージョンの推進に反映されており、全従業員が自身の価値を感じられる職場を実現するための行動を伴っています。さらに、アジア太平洋地域の従業員向けに差別や社会問題について話し合うタウンホールミーティングの開催や、文化的認識に関するトレーニングの提供も実施しています。
DE&Iの効果:組織と社会への影響
デルタ航空のように、多様性と包括性を重視する企業は、財務目標を達成する確率が最大8倍高くなることが調査で示されています。また、チームパフォーマンスや意思決定の質、コラボレーションの向上といった効果も明確です。こうした成果は、DE&Iが企業の持続可能な成長にとって不可欠な要素であることを証明しています。
最後に
デルタ航空の取り組みは、単に企業内の変革に留まらず、社会全体の課題解決にも寄与するものです。同社のエマ・ケイト・プロティス氏が示すように、DE&Iは「共感を加速剤とし、多様な視点を融合することで、企業と社会の未来を切り拓く鍵」となっています。
華園ふみ江
一般社団法人 人事資格認定機構
代表理事
米国公認会計士
ASTAR LLP 代表