「人的資本経営は長期目線で行う必要がある」 ビル・クリントン元米国大統領講和 SHRM23 ラスベガス会場にて
2023年6月SHRM23の開催地ラスベガス会場には世界中から人事のプロフェッショナル2万5千人が集結しました。
SHRM23にて元米国大統領ビル・クリントン氏の講演が行われました。講和より抜粋して日本語要約をお届けします。
「人的資本経営」の根幹は人財の育成であり、それは長期的人財戦略によってのみ成り立ちます。
大統領在任時代に関わった日本との合弁アメリカ企業で、素晴らしい人的資本経営を実現していたことが印象に強く残っています。
その企業の人事戦略は、まず給与に関しては、ベースサラリーは低めに設定されていながら、毎週の出来高制ボーナスがあり、それが通常の年次ボーナスの額を大幅に上回る額であったことで、モチベーション、エンゲージメントが高まり、そしてリテンションも高まっていました。
人財育成については、従業員のスキルアップだけに留まらず、従業員の子供の教育費補助を行い、次の世代の育成も行っていました。そして更には、従業員本人と子供のみならず、配偶者の教育費のサポートも行ない、その企業の人財育成という企業だけの枠に捉われない、本当の意味で世に貢献できる人財育成を行っていました。
その企業の経営者は「我々は人に投資する。人への投資は、短期的、目先的なことではなく、長期的に見て行わなければならない。それ故に我々の企業寿命が長いのです。」と私に説明してくれました。非常に感銘を受けました。これは「人的資本経営」のお手本と言える企業でしょう。
私は、弁護士として教育を受けたものですので、この言葉で私の講演を締めくくりたいと思います。
企業は、「Family, Customer, Community」に貢献する使命がある。アメリカの会社法にはその精神が謳われています。
人事の専門家としての皆さんも是非このことを大切にして人事の仕事、そして企業経営をしていってください。これからは「人財」がより大切な時代です。「人財」に直接影響力のある人事という仕事に誇りを持って益々ご活躍していってください。
レポーター後記:華園ふみ江 人事資格認定機構HRAI 代表理事
世界から集まった人事プロフェッショナルの前で、日本企業の素晴らしさについても言及されたことがとても誇らしく感じ、もっと日本の人事施策の素晴らしい点を世界に発信したいと強く思いました。今年11月に東京で主催する「世界人事会議」は〜人事で繋ぐ、日本と世界〜を掲げ、日本からもベストプラクティスを世界に発信していく目的もあります。皆様も是非ご協力ください。
⭐️ 世界人事会議のご案内 https://hraionline.wixsite.com/23ghr
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華園ふみ江
一般社団法人 人事資格認定機構
代表理事
米国公認会計士
ASTAR LLP 代表
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