「世界で選ばれる人事資格とは」
「世界で選ばれる人事資格とは? 2025年最新ランキングと日本発グローバル資格の台頭」

🌍 世界で取得者が多い人事資格リスト
順位 | 資格名 | 認定機関 | 取得者数(推定含む) | 資格認定開始年 | 特徴 |
1 | PHR (Professional in Human Resources) | HRCI | 約65,341名 | 1976年 | 米国を中心に普及する人事実務資格 |
2 | SPHR (Senior Professional in Human Resources) | HRCI | 約41,692名 | 1976年 | 戦略的な人事管理の上級資格 |
3 | SHRM-CP (SHRM Certified Professional) | SHRM | 非公開(推定数万人規模) | 2015年 | コンピテンシーベースの人事実務資格 |
4 | SHRM-SCP (SHRM Senior Certified Professional) | SHRM | 非公開(推定数万人規模) | 2015年 | 戦略的人事リーダーシップ資格 |
5 | CIPD (Chartered Institute of Personnel and Development) | CIPD(英国) | 約150,000名以上 | 1980年代(資格体系の整備) | ヨーロッパ・中東・アジアで普及する人事資格 |
6 | aPHR (Associate Professional in HR) | HRCI | 約10,323名 | 2016年 | 初級人事プロフェッショナル向け |
7 | PHRi (Professional in Human Resources – International) | HRCI | 約3,492名 | 2012年 | 国際的人事実務者向け資格 |
8 | SPHRi (Senior Professional in Human Resources – International) | HRCI | 約3,221名 | 2012年 | 戦略的な国際人事リーダー向け |
9 | GPHR (Global Professional in Human Resources) | HRCI | 約2,798名 | 2004年 | グローバルな人事戦略資格 |
特記 | SHRM Essentials of Human Resources | SHRM・日本ではHRAIが提供 | 日本のみで 330名(2020〜2024年) | 2021年(日本) | 入門的な人事教育プログラム |
HRCIの資格はもともとSHRMが提供していましたが、2014年末に提携を終了しました。2015年以降、SHRMは独自の資格(SHRM-CP、SHRM-SCP)を開始しています。現在はHRCIとSHRMがそれぞれ別々の資格体系を運営しています。
📌 特記事項:2025年開始の新資格
新資格名 | 認定機関 | 提供開始年 | 特徴 |
GHR-Professional(人事国際資格) | HRAI(日本) | 2025年 | SHRM Essentialsを基盤に、人的資本経営やピープルアナリティクス等、最新・戦略的な人事資格として日本発で世界展開 |
【人事資格の歴史と背景】
人事資格(HR Certification)は主に1970年代以降に体系化され、世界的な広がりを見せました。代表的な資格とその提供開始年は以下の通りです。
- 1970年代:
- 人事資格が体系化され、特に米国でHRCIがPHRおよびSPHRの提供を開始し、人事の専門化が進展。
- 1980〜90年代:
- 資格が一般的になり、専門人事職が普及。
- グローバル化の進展に伴い、国際的な資格需要が拡大。
- 2000年代以降:
- グローバルな事業展開が一般化し、GPHRなど国際資格が提供開始。
- CIPDも資格体系を再編成し、ヨーロッパ・中東・アジアで急速に普及。
- 2010年代:
- コンピテンシー(能力)重視の流れから、SHRMが独自資格(SHRM-CP、SHRM-SCP)をスタート。
- 国際人事資格(PHRi、SPHRi)の提供も始まり、米国外での需要を取り込む。
- 2020年代以降:
- 人的資本経営やピープルアナリティクスなど、新たな分野に対応した資格も登場している。

日本における「人事 資格」の変遷と進化
🌱 2020年:SHRM Essentialsの日本導入
2020年、日本における人事プロフェッショナルの育成と人事の専門性向上を目的に、世界最大級の人事専門団体 SHRM(Society for Human Resource Management) と日本で唯一のパートナーとして提携した HRAI(Human Resource Accreditation Institute:人事資格認定機構) が、『SHRM Essentials of Human Resources』の日本語プログラムを共同開発しました。SHRMの教材を英語以外の言語化するのは、SHRMにとって初めての試みであり、この日本語化の成功により、その後SHRMは韓国語・アラビア語などの多言語化を行っております
SHRM Essentialsは、米国を中心にグローバルな視点で体系化された人事の基礎知識(入門レベル)を提供することを目的とした入門プログラムであり、以下のような点で2021年より日本での提供に至りました。
- 世界基準の人事の基本概念を(入門レベル)を学べる
- グローバル人事の役割を理解できる
- 米国の人事の運用基礎が理解できる
- 日本企業のグローバル化や人事機能の専門化の草創期に最適である
- 米国では大学でも提供されている人事への入門コースであり、2020年当時、人事の体系的教育が普及していない日本に導入が求められていた
2021年〜2024年の4年間でHRAIの元で330名がSHRM Essentialsプログラムを修了し、2023年には米国外でもっとも受講数が多かったとして、HRAIはSHRMより「トップ・インターナショナルパートナー」として表彰されました。受講者は日本在住者に留まらず、世界からの受講者があったことからも、HRAIは日本におけるグローバル人事教育のパイオニアとしての評価が確立した一方、近年特に2023年より日本の人事のグローバル化が加速し、グローバル人事への入門教育であるSHRM Essentialsプログラムはその役目を満了いたしました。

📌 SHRM EssentialsからGHR-Professionalへ:日本発グローバル資格への進化(2020年〜2025年)
4年間の提供を通じて、HRAIは以下のような課題・ニーズを認識しました:
- 日本企業が必要とする「実践的かつ戦略的なグローバル人事プロフェッショナル人財育成」には、従来のSHRM Essentialsの内容(入門レベルのみの人事知識・米国中心の人事実務運用の解説)では不十分であった。
- 日本企業の特徴を含め、米国だけに偏らないグローバルな視点、人的資本経営、ピープルアナリティクス、DE&Iなど、A IやHRDXなどの世界最新のHRトレンドをさらに深く体系的に組み込む必要性があった。
- 人事資格そのものを日本から世界に向けて発信し、欧米発の資格に依存せず、日本型経営の良さを活かした独自のグローバルスタンダードを創出する重要性を認識した。
これらを踏まえ、2024年末をもって SHRM Essentialsプログラムの提供終了 を決定しました。
🚩 2025年:GHR-Professional資格の誕生
2025年、HRAIは、『人事国際資格 GHR-Professional』 の提供を開始しました。これまでSHRM Essentialsで得た経験と受講者のフィードバック、そして世界中の最新の人事トレンドを統合し、最新の世界人事の基礎から応用・実践をより多面的な要素を含む講義に基づいた資格です。
この新資格の特徴と意義は以下の通りです:
- 日本を起点とし、グローバルに通用するグローバル人事資格
- 「人的資本経営」を軸に置き、経営と人事戦略を統合した内容
- 世界最新のピープルアナリティクス、DE&I、AI, HRDX, 組織開発を網羅
- SHRM Essentialsの入門的範囲を超え、より戦略的かつ高度な内容に特化
- 日本語・英語、バイリンガルで提供され、日本からグローバルへの発信力を強化
- 日本国内外からの「日本の人事の独自性について知りたい。」との要望を叶える内容
🌐 GHR-Professional資格が日本および世界にもたらす意義
日本型経営・グローバル人事融合の実現
従来の欧米中心の資格に日本独自の経営哲学と人事哲学を加味することで、グローバル人事の新たな指標を示す。
人事の経営貢献度を高める
人的資本経営、経営への貢献を中核に据えた内容により、人事が経営に直結した戦略的パートナーとなることを促す。
真のグローバル人財の育成
日本企業の課題だった「グローバル化と現地化の両立」を支える異文化対応力やコミュニケーション能力・発信力・リーダーシップを強化する。
日本発のグローバル資格の創出と国際競争力の向上
米国や特定地域に偏ることなく、世界中の多様な実務や背景に基づいた、より普遍的なグローバル人事の知識と実践を体系化。日本発の視点を起点としながらも、多国籍企業や各国の人事担当者にとって実践的かつ価値ある学びを提供し、国際的な信頼と活用の促進を目指します。

華園ふみ江
一般社団法人 人事資格認定機構
代表理事
米国公認会計士
ASTAR LLP 代表