ジョブ型 でつまずく典型的誤解についての解説とアドバイス 第二弾

Q&A:HRAIからの回答

Q3)ロイヤリティー

ジョブ型が浸透すると個々の会社へのロイヤリティーが希薄になるのではないでしょうか?

A3)

これまで、日本の主要な企業での雇用形態は「就社」であり、終身雇用を維持する為には専門職ではなく「社内ジェネラリスト」を育成・維持することが組織における大前提でした。そういった事から従業員についても自らのキャリアに専門性を求める事なく、組織から定期的に辞令を受けて、社内の職務を転々する、というのがキャリア形成の唯一の機会でした。

この「メンバーシップ型」と言われる雇用形態は確かに、過去において非常に有効で日本経済の基盤としての役割を果たしていました。

一方、日本以外の主要国では、「ジョブ型」と日本で呼ばれる人事施策で人財の確保・育成を行なってきました。 これは イノベーションの時代といわれる過去30年の間に特に盛んに行われました。

それでは、日本以外の国で働く人びとの会社へのロイヤリティーは、日本と比較して低いのでしょうか?そうとも言い切れないと思います。確かに、日本以外の国では、各従業員の会社へのロイヤリティーは自身のジョブ内容と密接に結びついています。その点は、自らのジョブ(専門性)は求めず、会社自体にロイヤリティーを持つ日本型とはロイヤリティーの根拠に違いがあることは明らかです。

アドバイス)

しかし、どの国の組織であっても従業員の会社へのロイヤリティーは同じように大切です。それは人事施策、雇用形態を超えてまず重要視されている事と言えます。ですので「ジョブ型」であるかないかに関わらず、会社へのロイヤリティーを維持するための努力というのは引き続き重要な経営課題です。


Q4)賃金

賃金が高い企業しか優秀な人材を獲得できなくなるのではないでしょうか。

A4)

「ジョブ型」=賃金の上昇ではありません。年功序列だけを基準に賃金を決定するのではなく、「ジョブの価値」によって賃金を決定するという事ですので、組織のMVVとゴールが同じであれば、自ずと組織全体としての総人件費というのは人事施策の選択により大幅に左右されることはないと思います。

アドバイス)

もし大幅に増加するのであれば、経営計画の抜本的見直しが必要というサインかもしれません。


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