サイバーエージェントの「人事の数字」本当にやっていること! 第一弾【デジットとGEPPO】-前編-
人材版伊藤レポートにも取り上げられている、株式会社サイバーエージェントの「人事の数字」について、常務執行役員CHO曽山さんと人事データ総括部部長の堤さんに、華園が深掘りして詳しくお聞きしました。
通常は部外者に公開してない貴重な資料をギリギリまで見せていただき、今回は皆様にもその一部をシェアさせていただく許可もいただきましたので、是非このコラムを最後までご覧ください。
サイバーエージェントの数々の先進的人事の取り組みについては多くの人事プロフェッショナルはメディアなどを通じて学んでよくご存知であり、参考にされている会社も多いと思います。
今回は、これから日本の多くの人事が本格的に(重い腰をあげて?)取組を始める「人事の数字」についても既に経営陣がリーダーシップを発揮して社員の行動や主観を数字化・可視化して経営に活かしているサイバーエージェントの「人事の数字」のキーマンである曽山さん、堤さんが、「うまくいっていること」「まだまだこれからのところ」「苦労している点」などをオープンに語ってくださいました。
貴重な社内資料の一部公開は「日本の人事の発展のためになるなら、ぜひ使ってください!」という曽山さんの素晴らしいお言葉とともに皆さんにお届けします。
参考)人材版伊藤レポート(持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書)より抜粋:
株式会社サイバーエージェントでは、毎週2時間の役員会議を行い、 人材に関して KPI の進捗状況や社員アンケート結果について議論。
株式会社サイバーエージェントでは、2013 年から全社員に対して 毎月 3 問程度のアンケートを実施。先月の自身の成果やパフォーマ ンス、ミッションステートメントの実践の程度等の主観情報を、晴 れ・曇り・雨といった天気で聞くことで定量化して把握。
また、こ れを運用する仕組みとして、アンケート開始と同時期から、全社員 のアンケート結果を確認し、気になる社員には連絡をしたり、役員 に改善や異動を提案したりするチームを創設。
【デジット】 というキーワード!
曽山さん
「人事の数字」に関しては“デジット-Digit” これは、日本で一番、データに強い人事を創るという、人事管轄ビジョンを表しています。
華園
Z OO M背景もデジットですね。なんだかお二人とも飛び出してきて、凄い技を出しそうです。それから、いつも感心していますが、インパクトのあるネーミングを有効に使う、素晴らしい人事戦略ですね。
曽山さん
華園さんは、本日はどの様なものがご覧になりたいですか?
華園
御社の「人事の数字」の取り組みはたくさんのメディアでは文章で紹介されていますが、実際のアウトカムを見せていただく機会がないので、シェアいただける範囲で実際に使っていらっしゃるダッシュボードなど見せていただきたいと思います。
曽山さん
お役に立てるのであれば是非、ギリギリまでお見せします!
華園メモ
ネーミングで、社外の人は「なんのことだろう?」と興味がそそられ、その言葉の意味を理解している社員間では、その暗号的要素もあるネーミングを用いてツーカーで話をすることにより、様々なポジティブなインパクトがあります。
ビジョンが明確に伝わる、ユニーク感がある、社内用語で特別感がある、迅速で的確な社内コミュニケーションツールであり、とても有効な人事戦略と言えるでしょう。
私の前職、世界125カ国に展開をし、社内で90もの言語を使っていたグローバル企業でも同じ戦略を使っていました。様々なキーワードがあり、それは社内独特の言葉でした。
新入社員は最初の6ヶ月間は会話のほぼ半分くらいがわからない場合も多々ありましたが、世界で統一した社内言語で、その言語を共有し、自在に操ることで、企業文化の基礎となっていました。
プロジェクトなどにも毎回ユニークなネーミングが工夫されていて、例えば、セキュリティ強化プロジェクトは「ヒドラ」と名付けられていました。
「人事の数字」のはじめの一歩もやはり、明確なビジョンを経営陣で検討同意して、簡潔な言葉で表すことから始まります。そこに記憶に定着しやすいキャッチーなネーミングをして、効果的戦略的に使う。
まずビックピクシャーを描いて言語化し、ネーミングを工夫することも「人事の数字」を実行し、ビジネスに活かしていく秘訣と言えるでしょう。
それでは、さらにお二人のお話を聞いていきましょう。
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