これらからの人事〜2022年からの10年【6月号・最終回】ファイナンス(CFO)〜人事(CHRO)の路 CHROの普及がもたらす人事部門の変化
3月号でお伝えした通り、CFOのポジションの普及によりファイナンス部門で必要とされる人財の変化が起きました。
管理(記録)を忠実に処理・維持する能力・資質の人財から、ファイナンスビジネスパートナーやFP&A(ファイナンシャル計画と分析)の人財が新たに求められる様になり、その必要数が増していきました。そして、会計処理のオートメーションが加速した結果、日本において会計事務従事者の数が既に激減しました。
現在の日本ではCHROの設置が進んできており、また同時にHRテックの導入も加速してきました。
先のデータで1995年から2010年において会計事務従事者が113万人減少したわけですから、例えば2015年から2030年同様の調査集計を行なった場合、人事事務従事者の数を把握できれば確実に同程度の現象が見られるはずだと予測できるのではないでしょうか。
2022年の今、人事のキャリアを構築してきたいと思っている個人、人事の専門家を社内で確保、育成したいと考えている企業は一刻も早く行動を起こすべきです。
何をすべきか?
今回の連載コラムにてファイナンスの辿ったみちを検証しながら人事のこれからについて解説して参りました。
「ファイナンスと人事」「CFOとCHRO」に何の関連性があるのか?と思われた方もいらっしゃったと思います。
ファイナンスの辿った道を人事が10年後辿り、アメリカの辿った道を日本が10年〜20年遅れて辿る。これはもはや納得いただけるのではないでしょうか。
人事は専門職であり、CHROはその人事の専門知識を経営の場にもっていき、エグゼクティブチームに価値ある助言をすることを求められており、人事部はビジネスのパートナーとしてビジネスの各部署に価値ある貢献をすることが求められています。
人事の専門知識は、特に基礎については世界に共通する基準となるものがあります。それはアメリカや他国では既に学術的に体系だってまとめられて教育が提供されています。
「日本の人事は独特だから」これは間違ってはいませんが、正しいとも言えません。例えば日本独特と思われている「等級制度」はジョブ評価の基本的手法の一つであり、「等級制度」を採用している米国企業は今日でもあります。
「人事には世界基準があるが、企業によって独自の運用が行われている」そして、「人事に正解はないが、基本はある」とも言えます。これが人事を正しく表していると思います。
人事にも会計にあるような世界共通の基準があります。これからの日本の人事に必要なことは、世界共通の基準を理解した上で、自社独自の人事を創造していくことに尽きると思います。
華園ふみ江
一般社団法人 人事資格認定機構
代表理事
米国公認会計士
ASTAR LLP 代表
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