サイバーエージェントの「人事の数字」本当にやっていること! 第一弾【デジットとGEPPO】-後編-

GEPPO】 で 晴れ・曇・雨!

華園

GEPPOの実物を是非見せてください!ここでもユニークなネーミングを実に上手にされていますね。

曽山さん 

毎月1回社員はメールでGEPPOを受け取ります。

自身のパフォーマンスとチームのパフォーマンスの主観的評価をこの5つの天気から選びます。これにもう一つ各月のトピックが加わります。例えば最近では、リモートワーク下での効率性などです。

お天気診断の下には、フリコメ(フリーコメント)欄があり、自由にコメントが入れられるようになっています。

堤さん

基本は、フリコメが無ければ、社員にとってもぱぱっと10秒くらいで素早く解答できるよう工夫しています。それから受動的に質問に答えるだけでなく、能動的に発言できる機会も提供しています。

例えば「興味があることや得意なこと」をアピールしてもらうことがありそのデータはタレントマネジメントに活かしています。

曽山さん

回答率は毎月ほぼ100%です。

堤さん

G E P P Oは2013年から継続していますので、かなりのデータが蓄積されています。データは年数が蓄積すればするほど価値が出てきます。

曽山さん

蓄積されたデータをトレンドで見ると色々と見えてくるものがあります。

華園

2013年からとなると既に8年くらいのお天気評価のデータがあるのですね。

これはもう、御社の、というよりもはや日本の人事のお宝ですね。このデータから人事の色々なことが読み解けますね。おっしゃる通りデータは長い期間のトレンドで見ると物語が数字から見えてきますよね。

曽山さん

「毎月500〜1000件ほど集まるフリーコメントの一つ一つに人事が返事をしています。」

華園

「すごいですね!!!!」

曽山さん

「毎月の役員会にこのようなレポートで社員一人一人の声を届けています。」

曽山さん

「全社のデータを毎月俯瞰して見ています。当社の強み、課題が数字から読み取れます。」

「強みは全社を通して、晴れが60%です。一方で雨が常に一定の率いることがわかります。大雨が2ヶ月続く社員にはパーソナルなケアを提供しています。」

「事業部ごとの比較データでは、例えば目標明確の晴れの率が81%となっているG事業部のベストプラクティスを低迷しているA事業部に活かすなどしています。」

「このデータから、社員にとって目標は明確であるが、業務配分について改善が必要といった会社の課題も見えてきます。」

堤さん

「例えば、ABEMAで相撲の番組を新しくつくることになったら、過去にGEPPOで相撲が好きですと記入していた社員に声をかけてみるなど、コメントを大切なタレントマネジメントのツールとして活用しています。」

「また、女性の活躍や若手の抜擢など会社として力を入れたいタレントマネジメントについて、データで常に把握しておくことができるようになりました。」

華園メモ

数字分析「ワンオーワン101」―数字はトレンドで見る!

数字分析は、まず視点を定めたら、蓄積している年数分をずらりと並べて眺めてみることをお勧めします。それで見えてくる物が必ずあります。

まずは数字自体に語ってもらう。そこから数字を読む力がついてきます。

「人事の数字」は曽山さんや堤さんがおっしゃるように、「主観をデータ化する」ということに尽きると思います。

それには、経営レベルで何を見ようとしているのか、「視点」を定め、その視点でデータを集め並べてみることから全てが始まります。

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